私達の銀河系、天の川銀河の中心で巨大なガス雲がブラックホールに最接近するという出来事がおきているそうです。
いま、世界中の望遠鏡が銀河系の中心に向けられている。超大質量ブラックホールがガス雲をのみ込む瞬間を、初めて「最前線で」観測できるかもしれないのだ。
2011年、マックス・プランク地球外物理学研究所のシュテファン・ギレッセンらは、銀河系の中心近くに小さなガスと塵の雲を偶然発見した。チームはこれをG2と名づけた。その軌道を計算したところ、いて座A*(Aスター)の周りを180年から216年かけて公転しており、近点では銀河系の中心にある超大質量ブラックホールの中心部に非常に接近することがわかった。そして、2013年にはブラックホールに最接近すると計算された。
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ブラックホールに接近するガス雲(G2)のコンピュータシミュレーション映像
天の川銀河の中心、私達は「いて座A*」と呼んでいますがここに銀河系の中心となる超大質量ブラックホールがあるとされています。質量は約8.154572 × 1036kg。太陽質量の410万倍とされています。事象の地平面の大きさは半径0.8AUとなっており太陽系で比較すると金星軌道を超えます。
そのようなケタ違いのブラックホールに『G2』と名付けられたガス雲が極めて近くを通過することがこれまでの観測で明らかになりました。
現在はG2はブラックホールの影響により形状をかえほぼ直線状になっており、ブラックホールに最接近している最中だといいます。観測結果からG2はブラックホールから20光時、距離にすると太陽と海王星の約5倍のところを通過するとされています。
この現象の観測に世界中の望遠鏡を接続しより正確に観測するという「Event Horizon Telescope」(EHT:事象の地平線望遠鏡)プロジェクトが進められています。これは今から2年後、2016年に構築されます。これによりブラックホールに落ちていくプラズマガスを観測し、事象の地平面が影響する黒い影が直接観測できるのではないかとされており、人類史初の事象の地平面の存在を証明する重要な研究になるとされています。