日本では食用として食べられることもあるシャコなのですが、カリフォルニア大学の研究チームによるとシャコの甲羅は人類が作り出した素材構造と非常に似ており、航空機などに使用される複合材よりも高い強度があることがわかったとのことです。
University of California, Riversideによってリードされた研究成果により、シャコの仲間のmantis shrimpの甲殻は、複合素材(composite materials)と似た構造をしており、その強度は耐久性は航空機に用いられている複合素材よりも強いことが判った。今回研究の対象となったのは日本ではモンハナシャコで知られるシャコの一種です。研究者はシャコが捕脚から非常に素早く力強いパンチ繰り出すことに興味をひかれ研究を開始したといいます。
「シャコの甲殻を調べれば調べる程、その構造には大きな改良が施されていることが判ってきた」とUC RiversideのDavid Kisailusは言う。
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▲炭素繊維複合材とシャコの螺旋構造
シャコが纏っている甲羅について、その強度は炭素繊維とエポキシ樹脂を組み合わから作られる炭素繊維複合材を超えており、詳しく調査したところ螺旋状で階層化した複合素材構造から構成されていたことが明らかになりました。これは人間の工業技術から作り出した炭素繊維複合材とほぼ同じ構造になっていたとのことです。
進化と共に身につけた能力とは言え、軽くて丈夫な素材が自然と人間が作り出したものが実は同じ構造だったというのは興味深い話ですよね。自然の動植物を調べると、人間が作り出すことができていない優れた素材の発見ができるのかもしれません。