サイドワインダー

先月29日、北朝鮮が砲撃を行った際、緊急発進した韓国空軍の戦闘機から空対空ミサイルが落下したと発表していたものの、実際は数キロ先まで飛翔していたことが明らかになりました。

 先月29日に北朝鮮が西海(黄海)北方限界線(NLL)付近で砲撃を行った際、緊急発進した韓国空軍の戦闘機がミサイル1発を誤射し、そのミサイルの残骸の一部がおよそ2.3キロ先まで飛んでいたことが確認された。韓国空軍は当時「ミサイルは単純に滑走路へ落下した」と説明していた。このため、空軍が意図的に事態を縮小・隠蔽(いんぺい)しようとしたのではないかという疑惑が持ち上がっている。

ライブドアニュース 
韓国軍の発表によると、先月29日忠清北道の空軍基地から離陸途中のF-4から「AIM-9」という単対空ミサイルが「落下した」という趣旨の発言を行っていたそうなのですが、実際はミサイルが飛翔していたことが明らかになりました。

29日は「ミサイルは飛行機から外れて滑走路に落下した」と発表しています。しかし、「ミサイルは滑走路にぶつかってばらばらになったが、このうち推進装置の部分は滑走路から約2.3キロ先の地点まで飛んだ」と5月6日に発表しました。

また「意図的に発射したものでなく、回線のショートによる誤作動だった」という釈明をしているのですが、内容からは落下による衝撃で推進装置が作動し形をほぼ維持しそのまま飛んでいったということのようです。



ちなみに、今回誤射があったと思われる瑞山空軍基地の北側には田畑の他に民家がありこちら側に2km以上飛んだとなると人的被害が出ていた恐れもあります。

AIM-9

AIM-9X
▲空母艦載機とAIM-9X

AIM-9ことサイドワインダーはアメリカ軍が1940年代末から開発が行われた赤外線誘導(例外あり)の短距離空対空ミサイルです。初期のタイプから半世紀以上が経過しているものの、複数の派生型、改良型が現在も開発されており日本を含む西側諸国では一般的な短距離空対空ミサイルとなっています。

第四世代で最新型のAIM-9Xは最大射程40km、最大速度はマッハ2.5。サイズは全長3.02m、重量85.3kgで1発あたりのコストは約1,860万円、他のタイプではAIM-9Mで約1,000万円、AIM-9Lで約840万円となっています。