SoftWheel

足が不自由な方や、怪我等で歩行ができない場合使用するのが車いすです。この車いすについて、事故で障害車いすをつかうことになった人が乗り心地の悪さに気づき、サスペンション付きの車いすを開発しました。

イスラエルの農業家ジラッド・ウォルフは、2008年に骨盤を骨折したが、農作物を枯れさせないため、車椅子で働くことにした。このとき、畑のデコボコを横切るときの痛みに苦んだウォルフ氏は、その後、オフロードに適した新設計の車椅子の開発を始めた。

農機具を基にしたソリューションをいくつか試した後、コンセプトを、テル・アヴィヴにあるRad-BioMed社に持ち込んだウォルフ氏は、同社の協力を得て「SoftWheel」を開発し、特許出願した。

WIRED.jp
車いすについては病院にあるようなものから競技用まで様々ですが、一般的に地面の凹凸や衝撃を吸収するサスペンションはついていません。ジラッド・ウォルフさんらが研究を行ったところ、この手の車いすは乗り心地が悪い以外にも、車輪に伝わるエネルギーの最大30%が失われ、無駄な体力を使う原因になっていたといいます。

そこで開発したのは3本の圧縮シリンダーを内蔵したホイール「SoftWheel」です。ホイールは柔軟にできており、縁石や階段であればホイールが縮みシリンダーが衝撃を吸収することで坂道を下っているかのように滑らかに移動することができるといいます。



SoftWheelの優れているのはホイールがサスペンションになっており本体構造に影響を与えない点です。つまり、SoftWheelが装着できる形状の軸受けだったらどのような乗り物でもサスペンション機能を付加できるということになります。

SoftWheelを開発しているメーカーによると今年の後半にも製品化を目指しており、価格は車いすのもので2本で2000ドル(約20万円)を予定しているとのことです。
ちなみに、実際に電気自転車のホイールを作ったところ仕様上の走行距離が最大2~3割ほど増加させる効果があったといいます。