しんかい6500

独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)は2023年に運用開始を目指す次世代有人潜水艦の構想を発表しました。次世代潜水艦は「しんかい12000」とされ、世界で最も深い海への有人探査が可能となるスペックとなっています。(画像はしんかい6500)

■超深海の資源探査に挑む

 世界最深の1万2000メートルまで潜航できる次世代の有人潜水船「しんかい12000」の開発構想が本格的に動き出す。海洋資源の宝庫である深海底では近年、各国による資源探査の競争が激化しており、海洋研究開発機構は2023年ごろの運用開始を目指している。(伊藤壽一郎)

MSN産経ニュース
今現在、世界一深く潜れる有人潜水艇は中国のシーポール級潜水艇の派生型とされるドラゴン級潜水艇「蛟竜号」で、2012年6月24日に7,020mを記録しています。
既に退役した潜水艇としては過去にはトリエステというイタリアの有人潜水艇が1960年1月23日にチャレンジャー海淵の海底(約10,900 メートル)に到着し探査を行っています。その後は2012年、映画監督で有名なジェームズ・キャメロンが「ディープシーチャレンジャー」でチャレンジャー海淵の海底に到達しています。

▼トリエステ

トリエステ

その上で、しんかい12000の特徴はやはりその潜航深度でしょう。地球上で最も深いマリアナ海溝のチャレンジャー海淵は水深1万911メートルなので、スペック上では地球上すべての海底に人が行けるという潜水艇が再び登場するということになります。

無人探査機であれば世界一の性能があった「かいこう」が1995年に10911.4メートルへの潜行に成功しており、1996年に世界で初めて10,000メートル以上の水深の海底からバクテリアの採取に成功しています。しかし、2003年5月29日にケーブルが破断し、その後開発された探査機では7000m級に変更されています。実際のところ7000m級であれば地球上の99.8%前後の海底を調査できるようです。

この手の開発で問題とされるのは宇宙でも同じように「有人なのか無人なのか」という点です。海洋研究開発機構の研究者でこれまで「しんかい」に30回以上搭乗したことがある、高井 研 氏はNATIONAL GEOGRAPHIC「世界一深く潜れる有人潜水艇は必要か?」というタイトルでこのように述べています。
「有人潜水艇を持つ最も重要な意味とは、人が自ら暗黒の深海に潜る感動を得る手段を持つことです。そして、これを一人でも多くの人に感じてもらえるように、その灯を絶やさぬ努力を続けていくことこそ、ワタクシ達、海洋研究開発に関わる人間が目指すべき方向だと思います」

産経ニュースによると、しんかい12000について文科省は2013年に「次世代船を優先度の高い国家基幹技術」と位置付けており、2014年3月には日本学術会議が建造費を300億円と試算。2023年の運用開始を政府に提言したものの、予算措置はまだ固まっていないとのことです。
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