月

火星や月、小惑星と地球軌道を外れ再び遠い天体を目指すと各国の宇宙機関が発表していますが、ロシアでは2030年頃から月のコロニー化を目指すという案があるそうです。

これはロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)、ロシア科学アカデミー、モスクワ大学が共同で作成したプログラム案で、ロシア関連の記事を扱うThe Voice of Russiaによると、内容は2030年から月のコロニー化、つまり月に人が住めるよう人工の居住地を作ることを行うと書かれているそうです。

コロニー建設の理由は「月は、地球文明により将来的に開発される天体であり、21世紀中に、月の天然資源獲得を目指す地政学的競争が始まるだろう」としており、目的はやはり『資源』の採掘ということになりそうです。

また、 「コンセプトには、有用鉱物採掘のための月面基地などの建設が含まれる。しかし、プロジェクトがいくらかかるか、まだ完全には計算されていない。分かっているのは、プログラムの最初の段階で、およそ285億ルーブルが必要になるだろうという事だけだ」としています。285億ルーブルは日本円で約840億円。

プログラムの最初の段階とは一体何を指すのか不明なのですが、予想では目的の資源があるのか調査する探査機の開発のことをだと思われ、「コロニー」ということで有人探査を含めた内容になると思われます。

入植は本当に行なわれるのか?

「入植、入植」と書いていますが、実際は月面基地の建設になります。ロシアでは今後行う長期的な宇宙戦略として今回の案とは別に「2030年までの宇宙事業発展戦略」というものが過去に発表されたことがあります。

そこには「宇宙飛行士の月での常駐にむけて月面探索が事前に行うことと、金星と木星に探索機の打上げ、火星には一連の研究ステーションを展開する」という内容が書かれています。合わせて大質量を打ち上げるロケットも開発、そしてソユーズに変わる新しい宇宙船も来年から2017年に本格的に開発が行なわれるとされています。