イトカワ

NASAが今後行う宇宙開発の一つとして小惑星を捕獲し地球近くへ持ち帰り、有人ロケットを飛ばし直接岩石を持ち帰るというものがあります。実はこの捕獲する小惑星について『イトカワにする案』があるとのことです。

 米航空宇宙局(NASA)は19日、2020年代半ばの実現を目指す有人小惑星探査候補の一つとして、日本の探査機「はやぶさ」が微粒子を持ち帰った「イトカワ」を検討していると発表した。

 NASAは昨年、直径10メートル以下の小惑星を無人探査機で丸ごと捕獲する構想を発表したが、その後の検討で、イトカワのように数百メートル規模の小惑星の表面から直径2〜4メートルの岩石だけを採取する選択肢も追加した。

毎日新聞
見出しにも書いたようにNASAは今後の宇宙開発として小惑星とその有人探査を目標としています。具体的には2025年を目処に捕獲した小惑星を月の軌道へ持ち帰り、直接有人探査によりサンプルを持ち帰るというミッションです。今回の発表は、この『持ち帰る小惑星』をイトカワになるかもしれないという内容です。

これまで発表されたNASAの計画によると、4年後の2017年前後にアトラスVを使用しARC(Asteroid Capture and Return:小惑星捕獲輸送船)を打ち上げ、数年かけ月の軌道に移動。その後、2025年に新開発した大型打ち上げロケットと有人宇宙船を使用し捕獲した小惑星まで行き、サンプルを持ち帰るという流れになっていました。

参考:小惑星捕獲、有人探査計画の詳細―NASA : ZAPZAP!



当然ながら全長330mのイトカワを捕獲することはできないので、何らかの方法で一部を剥ぎ取り、ARCで月まで持ち帰るということになります。正直なところ、「そこまで出来るなら無人探査機でサンプルリターンしたほうがよいのではないか」と有人、無人探査の論争がまた起こってしまいそうです。

そして、なぜイトカワなのか。NASAはJAXAが行った小惑星探査機「はやぶさ」のミッションに相当興味を示していたことが明らかになっており、実際に2013年7月にはNASAのチャールズ・ボールデン長官はJAXAの奥村直樹理事長とワシントンで会談し、その場で小惑星捕獲計画について協力を呼びかけたと報じられています。

小惑星探査に今後、力をいれると発表しているNASAとサンプルリターンを成功させたJAXAが今後共同でミッションを行う未来が見え隠れしてきました。小惑星探査機「はやぶさ2」は今年、2014年にも打ち上げが行なわれようとしています。