死ぬほど疲れている

バスであれば病院に、船であればヘリで輸送したり、どこかの客室に移動させることができるご遺体。では旅客機内で死亡した客はどのように扱われるのでしょうか。イギリスの航空会社によると、座席に座ったまま寝ているようにしてもらうそうです。

海外への長時間のフライトで、隣の乗客が食事の時間がきても起きず、深々と毛布をかぶりアイマスクを着けたまま深く寝入っていたら、単純に「疲れているのだろう」と思ってしまう。だが時にそれは、機内で急逝したもののその後クルーによって座席に戻された乗客、つまり「死体」であったりもするというから驚きである。

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これはイギリスのBBCが国内のブリティッシュ・エアウェイズのドキュメンタリー内で報じられたものです。具体的には乗客が突然死した場合の対応方法として、まず大切なのは他の乗客を動揺させないことだとしています。

その上で、同行者いない単独で搭乗し死亡した場合として、一般の座席でシートベルトをしアイマスク、毛布をかぶってもらい寝ているように装うとのことです。信じがたい内容なのですが、マニュアルではこのように記されていると客室乗務員の育成にあたっている女性教官が話しているそうです。

シュワルツネッガー主演の映画『コマンドー』では旅客機内で敵を静かに殺害し、寝ているように偽装した上で「連れを起こさないでくれ、死ぬほど疲れている」とキャビン・アテンダントに話しかけていました。どうやらこの対応は間違ってはいなかったようです。

ちなみに、通路に置くというのは「緊急時に邪魔になる」ということでやはり座席に座らせるという方法が最善の案と判断されているそうです。