海を漂うプラスチックゴミ。これらを回収するという技術開発は行なわれていないと思われるのですが、実はプラスチックゴミを食べ分解していると考えられる微生物が多数見つかったと報じられています。
ウエスタンオーストラリア大学の海洋学者チームによるとオーストラリア沿岸に漂う物質(主にプラスチックゴミ)についてゴミを食べまた海中に沈めるということを行っている微生物が存在し、年間世界で数百万トンのプラスチックを生物分解している可能性があるという論文が発表しています。【6月20日 AFP】微生物は、プラスチックを「食べる」だけでなく、微小なプラスチック片を海底に沈めることで、海面を漂う海のごみを減らす助けになっている可能性があるとの研究論文が19日、米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)に掲載された。論文を発表した豪ウエスタンオーストラリア大学(University of Western Australia、UWA)の海洋学者チームによると、プラスチックに住む微生物は、世界中の海を浮遊している数百万トンのプラスチック片を生物分解しているように思われるという。
AFPBBNews
この微生物は好んでプラスチックに住むということを行っているらしく、海洋に流れ出すことで問題視されているマイクロプラスチック(マイクロビーズ、サイズ5mm未満のプラスチック)についても同様に食べているとしており、今回の発表はプラスチックの微粒子を餌とする生物群について記録した世界初の論文になったとのことです。
研究チームによると、オーストラリア沿岸から海洋には平均して3.2ミリメートルのプラスチック片が浮遊しており、プラスチックを集め走査型電子顕微鏡で観察したところ14属の珪藻、およびバクテリアが見つかったとしています。
研究者は「この微生物の行動により、海面を漂うプラスチックの総量が、科学者らが予測した速さで増大してはいない理由を説明できるかもしれない」と話しています。
プラスチックを食べる微生物としてはこれまで陸の微生物は知られていたものの海洋の微生物については知られていなかったといいます。海洋のプラスチックゴミは環境汚染問題として様々報じられていますが、こういった微生物の存在がわからなかったというのは驚きですね。
詳しい研究内容はPLOS ONEから。