
小野寺五典防衛相は視察に訪れた米海軍施設にて短距離離着陸機などを運用できる強襲揚陸艦について導入を検討している趣旨の発言をしました。
【サンディエゴ共同】小野寺五典防衛相は7日(日本時間8日)、上陸用装備を搭載できる「強襲揚陸艦」を念頭に、離島奪還作戦で活用する新型艦艇の海上自衛隊への導入を本格検討する意向を表明した。米サンディエゴの海軍施設で強襲揚陸艦を視察後、同行記者団に語った。強襲揚陸艦とは空母のように全通甲板を有し、短距離離着陸機やヘリコプターといった航空機、上陸用舟艇としてホバークラフトや戦車、歩兵(海兵隊)を搭乗させ運用できる軍艦です。現在、海上自衛隊には全通甲板の強襲揚陸艦としていずも型護衛艦、ひゅうが型護衛艦があるものの、これらは短距離離着陸機を搭載できないヘリコプター護衛艦(ヘリ空母)としています。
検討理由に関し「島しょ防衛のため、必要な部隊を速やかに展開できる多機能の輸送艦という意味合いで考えたい」と述べた。
沖縄県・尖閣諸島周辺で軍事的影響力を強める中国をにらみ、抑止力を向上させる狙いがあるとみられる。
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小野寺防衛相が記者団に語ったのはこれらいずも型護衛艦、ひゅうが型護衛艦型ではない「新型」の強襲揚陸艦を導入するというものです。ただ、「多機能の輸送艦という意味合いで考えたい」とも述べており、ヘリコプターの運用は当然として多機能に短距離離着陸機(F-35B)がはいってくるのかという点が気になるところです。
ちなみに、今回小野寺防衛相が視察したアメリカの強襲揚陸艦はワスプ級強襲揚陸艦の8番艦マキン・アイランドで航空運用能力としては短距離離着陸機が最大20機、もしくはヘリが42機、垂直離着陸機6機及びヘリ12機となっています。
▼ワスプ級強襲揚陸艦とオスプレイ(MV-22B)

海自最大の艦艇のいずも型護衛艦は過去「F-35Bの運用を検討している」などと報道されていましたが、後に正式に否定されています。したがって、短距離離着陸機の運用能力がありそうなオスプレイを中心とした強襲揚陸艦になることが予想されます。