クモの糸

クモの糸というと柔軟性があり強いという特徴がありますが、蜘蛛の巣を見ても分かるように量産することが難しいと言われていました。しかし、遺伝子操作された『蚕』によりクモの糸とほぼ同じ絹糸を作り出すことに成功し、来年にも市販化されるとしています。

クモの糸は、抜群の強さと軽さを誇る「スーパー繊維」だが、量産が難しかった。米国のKBL社は、蚕にクモの遺伝子を導入し、クモの糸を量産できる「モンスターシルク」技術の商品化に近づいた。

 クモの糸は、あらゆる繊維素材の中でも抜群の強さと軽さを誇る「スーパー繊維」(強度は、同じ太さの鋼鉄の5倍、伸縮率はナイロンの2倍ある)だが、クモはまとめて飼うのが難しく、量産には向かなかった。

WIRED.jp
アメリカのKraig Biocraft Laboratories社はモンスターシルクという蚕が作り出す糸の生産量倍増に成功したと発表しています。モンスターシルクを作り出す蚕は遺伝子操作により染色体にクモの特定の遺伝子が組み込まれており、 クモの糸とほぼ同じ性質を持った絹糸を生産するといいます。

モンスターシルク
photo:Утечка паролей через лампочки

布地について主な使い道は医療用とそして軍事用と言われています。モンスターシルクは軽くまた丈夫で繊維が非常に細かい為、例えば防弾ベストやボディーアーマー、医療用としては縫合糸として使われるとされています。 
ただ、 KBL社によると一般人が使用する例えばドレスシャツやネクタイにも関心を示しているとされ、モンスターシルクの登場によりこれまで強度の面で不可能だった新たな服等のデザインが行えるようになるなど、丈夫で長持ちする素材としても使われる可能性があります。

ちなみに、このモンスターシルクを産出する蚕は通常の蚕と見分けが付くよう、目が赤くなるよう遺伝子操作されているといいます。 

遺伝子操作された蚕(幼虫)
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遺伝子操作された蚕(成虫)
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蚕(かいこ)

カイコは家蚕(かさん)とも呼ばれ、家畜化された昆虫で、野生には生息しない。またカイコは、野生回帰能力を完全に失った唯一の家畜化動物として知られ、餌がなくなっても逃げ出さないなど、人間による管理なしでは生育することができない。
カイコを野外の桑にとまらせても、ほぼ一昼夜のうちに捕食されるか、地面に落ち、全滅してしまう。幼虫は腹脚の把握力が弱いため樹木に自力で付着し続けることができず、風が吹いたりすると容易に落下してしまう。成虫も翅はあるが、体が大きいことや飛翔に必要な筋肉が退化していることなどにより、飛ぶことはできない。(Wikipedia)