都市に行けば人を多くみかけ、田舎に行くと人を見かけるもののその数は圧倒的な差があります。何故人は都市部に集まるのでしょうか。過去2000年に渡り15万人がどこで暮らしたのか調べたところ、今も昔も人は都市部に集まっていたことがわかりました。
パリの大都会を訪れて魅了された人を、田舎に引き止めておく方法はあるだろうか? 今週発表された研究によれば、どうやらそれは難しそうだ。歴史上の人物15万人分のデータ分析から、いくつかの都市が長い間、“磁石”のように文化的に人を引き付けてきた様子が浮かび上がった。テキサス大学の研究者により明らかになったのは、今も昔も地方から都市へ人が集中するという行動について、何世紀も変わっていないということです。これは記録が残っている世界の有名人、具体的に古物商から芸術家、スポーツ選手等なのですが、どのように移り住んできたのか西暦1世紀以降から2012年まで述べ15万3000人を対象に調査を行いました。
研究責任者でテキサス州リチャードソンにあるテキサス大学ダラス校のマクシミリアン・シック(Maximilian Schich)氏は、「データによると、パリは1500年前からフランスの文化的中心地だった。一方、ドイツでは多数の都市がその役割を担った」と話す。
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約2600年間かけて文化や知識が世界中に広まっていった様子を可視化するとこうなる - GIGAZINE
結果、現在も存在する世界の都市には人が引き寄せられるかのように集まる傾向があり、この流れは古来から変わっていないことが分かったとしています。
また人が一生の内に移動する距離(移り住んだ距離と思われる)について1492年以降、所謂大航海時代が訪れたことで平均214kmと伸びたものの、それから800年が過ぎた現在は382kmに伸びただけで車や船、飛行機が登場した現在も大きく変化していないことも分かったとしています。
都市部に人が集まれば結果的に地方の人が少なくなるわけで、日本でも廃村が増えていくと予想されています。しかし、歴史から人の流れを見ると何もおかしいことではないようです。地方では若者を呼び寄せようと様々な努力が行なわれていますが、それでも都市部に集中するという人の流れは生活環境など革新的な変化無い限り今後も続いてくと思われます。