羽毛恐竜

ティラノサウルスで画像を検索すると、一昔は目にすることがなかった羽毛が生えたイラストがあります。実は、ここ最近の研究では全ての恐竜には量に差はあったものの羽毛のようなものが生えていたでのはないかという説があるそうです。

 ほぼすべての恐竜に羽毛があった可能性を示す二足歩行の恐竜の化石が、シベリアの約1億6000万年前の地層から発掘された。

 この20年の間に、中国で羽毛のある恐竜が少なくとも5種見つかっている。しかし、どれも現生鳥類の祖先にあたる“猛禽型”の獣脚竜だった。 

 ところが、「Science」誌7月25日号に掲載された国際的な研究チームの論文によると、クリンダドロメウス・ザバイカリクス(Kulindadromeus zabaikalicus)と名付けられた新種の発見により、すべての恐竜に羽毛があった可能性が出てきた。

NATIONAL GEOGRAPHIC
どうしてそのような主張がでてきたのかというと先月25日、科学誌に掲載された論文でこれまで羽毛が確認された獣脚竜以外でも鳥盤類に属する種でも羽毛が初めて確認されたためです。

恐竜はトリケラトプスなどの鳥盤類(羽毛確認)と竜盤類に分けられ、さらに竜盤類にはティラノサウルスや鳥に分類される獣脚類(羽毛確認)、そして巨大なブラキオサウルスが属する竜脚形類に分けられます。

今回シベリアで発見された鳥のようなくちばしをもつ鳥盤類の恐竜からは柔らかい羽毛の存在が確認され、この発見により恐竜の長い歴史の初期から発達したものだと考えられているそうです。つまり、鳥盤類と竜盤類が別れる前の共通の祖先の段階で何らかの羽毛が生えていた可能性があるとしています。これはネコも人間も全ての哺乳類が量は異なるものの毛が生えていることと考え方は同じだと指摘しています。 

しかし、現在の鳥のように全身に羽毛が生えていたわけではないと考えられており、英エジンバラ大学の古生物学者スティーブン・ブルサット氏によると大型哺乳類に毛が少ない種がいるように巨大な恐竜には羽毛が少なく、小さい恐竜には羽毛比較的多く生えそろっていたと考えられています。

イエスズメ
▲獣脚類の系統に含まれる鳥(イエスズメ)

K-T境界と呼ばれる6550万年前に「恐竜は全て絶滅してしまった」と言われることがありますが、鳥類は獣脚類恐竜の亜群であることが間違いないとされています。つまり厳密に言うと恐竜は絶滅しておらず、多種多様な羽毛の生えた恐竜「鳥類」として現在も私達のすぐ近くに生きています。