海底

地球上には地面に穴を掘る生物が存在しているのですが、実はこのような生物が地球全体の酸素量を安定化させるため役立っていたという研究が発表されています。

サザンデンマーク大学の研究チームは地球上に現れた最初の『穴を掘る生物』が地球の大気に大きな影響を与えたとする論文を発表しました。

Burrowing Animals May Have Been Key to Stabilizing Earth's Oxygen

この動物は蠕虫の一種とされており海底の堆積層を掘り進むことで土壌が良い具合に混ざり合い、海洋に存在する元素リンの循環が生じたとしています。これは生物擾乱(bioturbation)という現象のようで、たったこれだけの活動で地球の大気における酸素量を強力に安定化させたそうです。

▼蠕虫残した跡(化石)
蠕虫

リンの循環と大気中の酸素はどのような関係があるのでしょうか。研究チームによると海底に蓄積し続ける有機炭素層は大気における酸素の源泉となり、またこの酸素の放出量は海洋におけるリンの量によって左右されていたとしています。つまり、リンの循環がなくなると大気中の酸素も少なくなるということのようです。

地球上に現れ大気に大きな影響を与えた、この穴を掘る生物は今から約5億4000万年前とされています。当時地球は先カンブリア時代末で、古生代のカンブリア爆発という多種多様な生物が出現する数百万年前になります。

古代の生物擾乱を現在見ることができる物としては、古い学校や寺にある巨大な石碑、そして墓石にも使われる稲井石というものがあります。国産の稲井石については今から2億年前のゴカイにあるとされ、海底に潜みエサを探すゴカイが動き回ることで生物擾乱が生じ、丈夫な稲井石ができたとされています。

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