ソユーズロケット

地球軌道を高速で飛び回る宇宙ゴミについては度々話題となりますが、ロシア紙によるとロシア宇宙庁は2025年までに軌道上で制御不能となっている宇宙ゴミ(人工衛星)を除去する衛星を開発すると報じられています。(写真はソユーズロケット)

2014年8月22日、ロシア日刊紙イズベスチヤは、ロシアが2025年までに高度約3万6000kmの静止軌道から運用を停止した衛星やロケットの残骸を除去する”スカベンジャー”衛星を計画していると報じた。 

イズベスチヤ紙の報道によれば、「清算人」や「宇宙クリーナー」と呼ばれるスペースデブリ(宇宙ゴミ)除去衛星の計画は、2016年から2025年までのロシア連邦宇宙計画の草案に盛り込まれ、総額108億ルーブル(約310億円)の計画になるという。 
なんとも信じがたい話なのですが、ロシア宇宙庁(ロスコスモス)が宇宙ゴミを除去する衛星の実用化を目指すという計画が報じられています。衛星の性能としては重量4トン、衛星1基あたり10基の衛星(合計6トン)を回収します。運用期間は10年とし除去衛星は合計で20基打ち上げるとしています。

今回の計画についてロスコスモス科学部部長の話もあり「宇宙ゴミ除去衛星を構築する技術は非常に複雑で、開発を担う企業はまだ選定されていないという。静止軌道で目的の機能を果たす衛星を構築し、運用するには複数の企業を検討しなければならない」と話しているそうです。

各宇宙機関の宇宙ゴミ回収計画

地球の軌道上に存在する人工衛星はその寿命を迎えるとき墓場軌道に送られます。墓場軌道とは他の衛星と衝突を防ぐため、静止軌道と地球同期軌道(地上上空約36,000km)よりも2~300km高い軌道のことなのですが、実際のところ既に故障していたり燃料の関係でこの操作に成功した例は全体の1/3程度とされています。
他には衛星を減速させ地球に落下させるという案があるものの、加速させ墓場軌道に移動させるよりも大量の燃料を消費し減速する必要があるためこれまで成功した例は存在しません。

IXV
写真:IXV

軌道変更に失敗した衛星を除去するという案について、最近各宇宙機関が関連する技術を発表しています。欧州宇宙機関(ESA)は2013年、研究を進めている大気圏再突入実験機『IXV』を発展させたた有翼の無人スペースプレーンに人工衛星を軌道から回収するという能力を持たせるとしています。また宇宙開発企業のアストリアム社は2013年ESAが開いた国際会議でモリを打ち込み大気圏に落下させる計画を発表しています。

ASAT

同じく2013年、中国は「スペースデブリの観測と宇宙空間でのロボットアームを用いた科学実験」などとし、3機の人口衛星を使用した衛星の捕獲実験を行っています。ただし、実験が成功したのかは明らかになっておらず、アメイカの国防総省関係者は「他の衛星を捕獲する新型の対衛星兵器だ」とコメントしたとされています。

宇宙ゴミの回収とは異なるものの、米国防高等研究計画局(DARPA)は既に使用されていない人工衛星を墓場軌道に送り、アンテナを集め通信アンテナとして再利用するというPhoenix計画を発表しています。この計画は2012年当時「2015年までに実証実験を行いたい」としていたものの、その後計画がどのように進んだのかは明らかになっておりません。