中国で試験が続けられている空母「遼寧」で運用を目指している「殲15」という戦闘機について、実はこれまで何度か事故が発生し2名のパイロットが死亡していたことが明らかになりました。
中国で現在10機程度生産されていると言われいるのは殲15(J-15)という戦闘機です。J-15は空母での運用を想定して開発されている艦上戦闘機で、初飛行は2009年8月31日とされています。【ワシントン=加納宏幸】中国初の空母「遼寧」艦載の戦闘機「殲15」のテスト・パイロット2人が試験中に死亡していたことが分かった。独立系の「米海軍研究所」(USNI)のニュースサイトが5日、中国系メディアの記事を引用する形で紹介した。英語版の中国国営新華社通信(電子版)は8月27日、習近平国家主席が遼寧からの離着陸に成功した空軍部隊をたたえたとする記事を配信。その中に「テストパイロット2人が試験中に犠牲になった」との記述があった。時期など詳しい状況は明らかではないが、USNIは2機が失われたと伝えている。
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今回の記事はこのJ-15が試験中に何らかの事故が発生し2名が犠牲になったというもので、具体的にいつどのような状態で事故が発生したのはか明らかになっていません。考えられるのは空母で離着艦試験を行う前の地上施設を使用した際の試験、そして海上での空母を使用した際の離着艦時に発生したというものです。
事故は今回はじめて明らかになったもので、リークされることが多い中国のこの手の事故のことを考えると海上での試験の際に発生したとも考えられます。
J-15は中国が独自開発したと主張している艦上戦闘機なのですが、ロシアのスポーイ社が開発製造したSu-27の艦上戦闘機版Su-33に酷似していることが明らかになっています。そのため、ロシア国防省の人物は「J-15はロシア製Su-33艦上戦闘機を模倣したものだ」とする趣旨の発言をしています。
写真:Su-33(上:ロシア)、J-15(下:中国)
艦載機としての試験は2010年5月に地上に設けられたスキージャンプ甲板と同等の滑走路から初の離陸試験が行なわれ、空母「遼寧」への着艦試験は2012年11月に行なわれています。中国の放送局、湖南衛視は2014年8月2日の報道番組でJ-15を量産している現場の様子を放送しています。
またJ-15の開発責任者は2012年11月25日、同機を使用した離着艦訓練時に空母上で心臓発作を起こし死亡しています。