ニカラグア隕石

ニカラグア共和国で今月6日、爆発音と揺れ、そしてクレーターが観測されたことについてニカラグア当局は小惑星「2014 RC」の破片によるものだと発表しました。しかし、NASAをはじめとした天文学者は違うとする意見が出されているとのことです。

中米、ニカラグア共和国の首都マナグア郊外にある国際空港付近で6日深夜、爆発音と共に揺れを観測し直径12メートル、深さ5.5メートル程度のクレーターができていたことがニカラグア当局の発表により明らかになりました。当局は7日に地球に最接近した小惑星「2014 RC」の破片によるもの発表しており、同国の地震研究所も観測された揺れから「隕石によるものとの確証を得た」などと発表をしました。

小惑星の破片落下か、ニカラグア首都にクレーター出現 (AFP=時事) - Yahoo!ニュース

しかしこの発表についてNATIONAL GEOGRAPHICによるとNASAの専門家からは疑問の声が上がっていると報じています。
理由としてNASAの小惑星研究者は、爆発音は2014 RCの地球最接近より13時間も前に発生している点(半日で地球は140万キロ移動する)、そして爆発音より前に観測されるという閃光や物体の飛跡などの目撃情報が無かったことをあげています。

ただ、新たな情報としてはスペインの研究ネットワークによるとクレーターができた9月7日夜、イベリア半島上空で隕石と思われる火の玉が観測されTwitter上でも同様の報告があげられたと報じられています。



ちなみに12mのクレーターが出来る隕石のサイズについて隕石の速度や角度にもよるのですが、おおよそ20cmから大きく見積もっても2m程度とされています。

このクレーターは一体どのようにしてできたのか。ニカラグア政府は国際的な専門家の協力も得て隕石落下の詳細を調査すると発表しており、痕跡や成分が残るであろう爆弾を爆発させた自作自演を行った可能性は低いと考えられます。

ニカラグア隕石_1

ニカラグア隕石_2

ニカラグア隕石_3
Photo:AFP, Getty Images