
アニメ『ドラえもん』はあまりに有名ですが、同じく人気のある中国で「ドラえもん人気には日本の政治的意図がある」などと複数の地方紙が主張していたことが明らかになりました。写真は2013年、上海で行われたイベント
2014年9月26日、四川省成都市の地方紙数社が、日本のアニメ・ドラえもんを批判する記事を一斉に掲載したため、中国ユーザーから批判と抗議の集中砲火を浴びている。27日付で中国メディア・捜狐が伝えた。ドラえもんに関するイベントについてこれまで中国の大都市で何度か開催されているそうなのですが、このドラえもんについて「政治的な意図がある」などと主張しているのは、四川省成都市の地方紙数社です。
成都市では今年8月16日から、「ドラえもんの秘密道具展示会」が開催されている。同様の展示会はすでに北京や上海、広州など中国各地で開催されているが、これまでにメディアの批判対象になることはなかった。
Record China
引用先にも書かれているように成都市では8月16日よりドラえもんのイベントが開催されたのですが、これについて成都日報を初め各地方紙は「歴史を尊重しない不誠実な日本をドラえもんが代表している」などとするほぼ同じ主張を同日に掲載していたそうです。
具体的な内容として成都日報の記事によると、ドラえもんは08年に外務省のアニメ文化大使に任命していたこと2013には東京五輪誘致の大使に選ばれていたことなどを挙げ、「近年、ドラえもんは中国の各都市に現れ、日本のいわゆる核心的な価値である“尊重と友情”を示しているが、この文化普及活動の背後には極めて強い政治的意図があることを私たちははっきりと理解しなければならない」と記事にしていたそうです。(参考)
この記事については「中国ユーザーから批判と抗議の集中砲火を浴びている」とのことなのですが、複数社が同じ内容を同日に記事にしていたということについて、中国共産党による何らかの意図が働いたことは間違いありません。
中国の分かりやすい抗日ドラマ、映画について「極めて強い政治的意図がある」と主張するならば分かるものの、ドラえもんとその内容のどこに政治的意図があるのか。日本のモノというだけで“中共フィルタ”が作動してしまう典型的な例となりました。
Photo:中国網