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長野県と岐阜県にまたがる御嶽山について自衛隊のヘリコプターも投入されているのですが、ネットでは3,067mの山頂付近で活動しているヘリについて「上昇限度を越えている」と指摘されています。

御嶽山(おんたけさん)で発生した発生した噴火について、陸上自衛隊はヘリを隊員を投入し行方不明者等の捜索活動を展開されています。この時同じく投入された大型ヘリCH-47Jについて、実用上昇限度が約2,674mとされているにも関わらず、何故か3,000mを越えたエリアで活動しているヘリについて疑問の声が多く寄せられていました。

CH-47J_1
引用:毎日新聞

こちらは毎日新聞により撮影されたもので、高度3,000mの山頂にある神社付近を飛行するCH-47Jです。これについてネットでは「スポーツカーがカタログスペックと異なるように、軍用ヘリも違う」、「民生用とは逆で性能を低く書くことは軍用ではよくある」等の指摘がネットではされていました。

これについて調べたところ、まず『上昇限度』というのは文字通り航空機の性能として到達する事ができる限界の高度であり、この限度については更に絶対上昇限度、実用上昇限度、運用高度限界の3つに分けられるそうです。

Weblio辞書によると、絶対上昇限度は一般的に想像する限度であり、いくらローターを回転させても上昇することはできない理論上の数値になります。実用上昇限度とは30m上昇するのに1分かかる高度で、これ以上の上昇は現実的ではないとの意味のようです。運用高度限界は90m上昇するのに1分かかる高度で、通常はこれ以上の上昇を試みるべきでない高度を指すそうです。

今回の件について、CH-47Jの約2,674mは『実用』上昇限度であり、3,000m付近でも絶対上昇限度を超えていないので飛行することができたということが答えになりそうです。ただ、それでもこのような高度で飛行を行うことは少なくとも安全な飛行とは言えないようです。ちなみに、CH-47Jのホバリング限界高度は3,080mとのことです。

また、写真を撮影した所謂報道ヘリとされるこの手のヘリコプターは上昇限界高度 6,000m前後とのこと旋回しながら撮影する以上は危険性は低そうです。