チュリュモフ・ゲラシメンコ_1

欧州宇宙機関は先月末、探査機ロゼッタを使用し彗星から吹き出すジェットの撮影を行いその写真が公開されました。この距離から撮影された彗星のジェットは史上初とのことです。

欧州の探査機「ロゼッタ」が、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)を間近からとらえた。9月26日に撮影された画像では、幅4kmの彗星核のくびれた部分から昇華した氷や内部のガスが噴出し、塵を放出しているのがよくわかる。こうした彗星活動をわずか20kmあまりの距離からとらえるのは、もちろん史上初めてのことだ。

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今回ロゼッタにより撮影されたのはチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は直径4kmと巨大な彗星です。探査機ロゼッタは2004年3月にアリアン5ロケットにより打ち上げられ彗星に近づくまで約2年半もの間、ヒーターのみの冬眠状態を維持し、現在は地球から約8億kmという位置を木星よりも内側の位置を共に移動しています。

▼ロゼッタが撮影したチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星
Photo:ESA/Rosetta/NAVCAM

こちらが彗星から20km離れた地点で撮影された画像です。4枚の写真をそれぞれ組み合わせたもので中央付近から水を含むガスや塵が吹き出しています。
同探査機の今後の計画としては搭載された着陸機を今月11月に投下し、地表面の高画質撮影や彗星の氷の分析など様々な科学観測が行われるとのことです。

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は楕円軌道を描きなら6.5年周期で太陽に近づく彗星で、太陽に最も近づくときでも火星と地球の公転位置の中間ほどで地球に衝突する恐れはなく、その後は木星軌道の外側まで遠ざかります。

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星_2

▼チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の大きさ比較
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星_3