大気圏再突入

生命はどのように発生したのか、時に他の天体から隕石と共にやってきたという説が取り上げられることがありますが、生命の脅威となる大気圏の突入について興味深い研究内容が報告されています。

宇宙から地球に降り注ぐちりの量は年間約4×10の7乗kg(4万トン)とされています(参考)。その中でも地表に落ちてくる隕石はNASAによると20年で556個とされ、現在は1週間に1個ほどのペースで落下していることが明らかになっています。

地球の生命は彗星によってもたらされた - News - サイエンス - The Voice of Russia

さて、ここからはロシア科学アカデミーが行った実験内容になるのですが、ロシアが行ったフォトンM4という生物実験によると、宇宙空間に送り込まれたバクテリアは地球への大気圏突入という高温環境にさらされても生き残ることができることが証明されたとしています。

フォトンM4
フォトン M4

この実験では隕石として厚さ1cmの玄武岩プレートにいくつかのバクテリアを埋め込みました。その後2ヶ月間、国際宇宙ステーションと同じ高さの宇宙空間に晒しその後大気圏の再突入させ耐えることができるのか実験したものです。
結果、玄武岩の表面は溶けたものの内部はそれほど高温にはなっていなかったとのことです。それでもほとんどの微生物は死亡した一方で好熱性の細菌「芽胞」という種が生き残ったとしています。

芽胞 - Wikipedia
芽胞は通常の細菌と比べて極めて高温に強く、100℃での煮沸によっても完全に不活化することが出来ない。また高温以外にも、消毒薬などの化学物質にも耐久性を示す。 一般的な消毒薬では次亜塩素酸ナトリウムがやや有効な程度で、塩化ベンザルコニウム(オスバン液)、アルコール類等では不活化する事が非常に困難であり、確実に不活化するには最も強い消毒薬であるグルタラールを長時間接触させる必要がある。

宇宙でも生きられる細菌

地球の生物が他の惑星やその隕石等からやってきたものだという説はパンスペルミア説と言われています。今年発表された研究によると、国際宇宙ステーションの欧州実験棟(欧州技術曝露施設)で1年半ほど岩石とともに細菌を宇宙空間に放置した結果、なんと生きていたことが分かりました(参考)。この実験はパンスペルミア説について研究されたもので、少なくとも細菌は宇宙で長期間生き抜くことができるということが証明されています。

また今年8月にはロシア宇宙庁ことロスコスモスは国際宇宙ステーションの窓を外から拭いたタオルから地球の海洋性プランクトンが付着していたことが分かりました。このプランクトンはロケットにより運ばれたものではないと考えられており(発射場付近には生息していないため)、地球で発生する自然現象により宇宙空間まで運ばれたものだと考えられています。(参考)
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