
時代劇にありそうな方法で殺害されたのは経営者としてまた大富豪としても有名だったという龍利源(ロン・リーユエン)氏です。今回は使用された猛毒と事件の経緯を紹介していきます。
2014年12月4日、中国紙・南方都市報によると、広東省の人民代表大会代表から巨額の現金をだまし取ったあげく、事件の発覚を恐れて同代表を毒殺した元地方政府高官の死刑囚に対し、刑の執行命令が下された。2011年12月23日、この日雲潭鎮源興木業有限公司の経営者 龍利源氏は地元の高官である陽春市八甲鎮農村業務弁公室副主任の黄光死刑囚と他、1人とともに山林視察を行いその後一緒に猫肉火鍋(火鍋:中国人の食文化において広く知られる鍋料理)を口にしたといいます。
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しかし、龍氏は「まずい、毒でも入っているのでは?」と話していたものの本当に毒が入っていと思っておらずその後倒れ病院に運ばれました。当時、鍋を食べた3人も中毒を訴えていたのですが龍氏は病院で死亡が確認されました。
その後、明らかになったのは黄死刑囚が龍氏にありもしない公的事業の請負契約と称し日本円にして2700万円の金を受け取っていました。龍氏は騙されていたことに気づいていなかったようなのですが、返金を求めた龍氏に対し黄死刑囚は毒殺して事件の発覚の隠蔽を図ろうとしていたそうです。
黄死刑囚は逮捕され中級裁判所でも死刑、高等裁判所でも死刑、最高裁判所でも死刑が言い渡され、最近になり死刑が執行されました。
▼毒草ゲルセミウム・エレガンス

黄死刑囚が殺害に使用したのはゲルセミウム・エレガンスという植物で極めて強い毒を持っているとして有名です。中国では「水莽草」「亡藤」「土農薬」など様々な別名があり、その中でも「断腸草」や「爛腸草」という別名がついているのは中毒を起こした人の腸が黒く爛れ、ひどい腹痛に苦しみながら死んでいくことが由来だとされています。
ゲルセミウム・エレガンスは日本には存在しておらず過去に大陸から生薬として輸入され正倉院に貯蔵されているそうなのですが、1200年ほど時間が経っているにも関わらずその毒性は全く劣っていないことが確認されているとのことです。参考:InAequabilitas
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