世界初、総2階建ての旅客機としてエアバス社の「A380」は有名ですが、実は注文があまり入らず今後製造中止を含め検討していくと発表があったそうです。
2005年に初飛行を行い07年に運用が開始された比較的新しい旅客機エアバスA380。この機、最大の特徴は1クラスで800席、3クラスでも500席以上の最多有償座席数です。しかし、2014年に入ってからは航空会社より同機の新たな発注が1機もなく、当初予想していた受注数を大きく下回っていると発表があったそうです。投資家向け説明会の席上でAirbusのHarald Wilhelm CFOが超大型旅客機「Airbus A380」の生産停止を示唆した発言を行っていたことが11日、Aviation Weekの報道により明らかとなった。A380はこれまでに合計318機の発注を受け、その内、144機に関しては既に納機を済ませているが、受注機数が想定を大きく下回って推移していることが、今回の発言につながった。
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エアバス社によると、A380の今後について早い段階で製造中止の選択肢を含め、高効率のエンジンに載せ替えた改良型として新たに製造するなど現在この2通りの案が出されているとのことです。
現在旅客機の市場としてはA380のような大型機ではなく、新興国向けに中型機が売れる傾向があるとされています。また、最近はボーイング787型機のように優れた低燃費性能からこれまで大型機しか行けなかった長距離の移動も可能になったということで、この点においても大型機の需要がかなり減っているといわれています。
ちなみに、過去専門家が解いた売れる旅客機の法則というのがあり、「機体サイズ(最大離陸重量)」と「速度」に一定の相関関係があることが分かっています。これは小型の機体であれば低速、大型になるほど高速になるという分かりやすい関係なのですが、この相関関係から大きく外れていた機種、例えばコンコルドのようなものは不人気機種になるとという法則が明らかになっています。