アンタレスロケット

11月18日、アメリカの民間企業オービタル・サイエンシズ社が打ち上げた補給船シグナスを搭載したアンタレスロケットが爆発墜落した事故で、問題となったエンジンの代替案としてロシア製「RD-181」が内定したとの報じられています。

オービタル・サイエンシズが打ち上げたアンタレスロケット5号機が爆発墜落した事故を受け、AJ26-62という旧ソ連製のロケットエンジンに変わる物を探していた件について、同社はロシア企業 NPOエネゴマシュ製の新型エンジンRD-181を採用する「最終段階に入った」などと報じられているそうです。

Orbital Sciences: 爆発事故を起こしたAntaresロケットの後継エンジンをRD-181に内定 - BusinessNewsline

RD-181はRD-171から続くRD-180シリーズの派生型ではなく、RD-171から続くRD191、RD-193の特徴を併せ持つロケットエンジンです。



爆発したアンタレスロケットの第一段は旧ソ連時代に製造され長らく放置されていたNK-33(後のAJ26-62)が2基搭載されていました。RD-181の燃焼時間はAJ26の約2倍、推力は場合2基分に匹敵する能力があるとされています。しかし、アンタレスロケットの設計上の問題があり現在のところRD-181を2基積んで打ち上げを行うという方針のようです。
同社はRD-181を直接メーカーから買い付け導入を進める計画です。

▼アンタレスロケットの第一段エンジン。下のエンジンには「NK-33(НК-33)」、上のエンジンには「AJ26-62」の文字が見えます。
2基のNK-33エンジン

RD-181に変える予定があったアンタレス

アンタレスロケットのメインエンジンについて2014年5月の段階で2016年以降のアンタレスロケットにRD-181を搭載するという計画が報じられています。理由は打ち上げに使用していたNK-33(AJ26-62)は遥か昔に製造が終わっており、在庫のみしかない状態で何れにしても代替エンジンを探さなければなりませんでした。

RD-181の製造元NPOエネゴマシュはアメリカへの輸出には前向きのようで、アメリカ以外の国でもこのエンジンを提供することが可能だとしています。