ファルコン9R

アメリカの民間企業、スペースXことスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズはこれまで誰も行ったことがなかったロケットの再利用を行うべく、明日未明打ち上げが予定されていたのですが、事前に行われたエンジンの燃焼試験で問題が発生し来年1月6日以降に再度打ち上げを行うと発表しています。

日本時間2014年12月20日午前3時20分に打ち上げが予定されていたロケット、ファルコン9 14号の打ち上げについてエンジンの不具合により、来年1月6日以降に打ち上げが延期されました。今回はこの試験がどのようなものなのか改めて紹介していこうと思います。

来年打ち上げに使用されるロケットは国際宇宙への物資輸送ミッションを行った後、海上に設けられたプラットフォームへロケット本体を着艦させます。理由はロケットを再利用し、打ち上げコストを大幅に下げるということが目的なのですが今回は実際に回収しロケットの再利用が可能かどうかを含めた試験になります。


ファルコン9 R コンセプト

再使用型ファルコン9


スペースX社によると、打ち上げられるロケットはファルコン9Rというロケットで本体の下部には着陸用の足と本体には姿勢を制御する4枚の網状の翼が搭載されています。同ロケットは従来のロケットのように垂直に打ち上げられ宇宙に物資を送り込んだ後、反転。メインエンジンを再点火し高度と速度を下げつつ海上プラットフォームへ垂直着艦します。

▼Autonomous spaceport drone ship(CG)
Autonomous spaceport drone ship
海上プラットフォームはAutonomous spaceport drone shipと名付けられた海底油田用のリグを改造したもので、縦77m、横51mという空母のような甲板上にて行います。

今回の試験についてスペースXは成功率は「良く見積もっても50%程度」としており、困難な試験になると予想しています。これまで同社は3度、大西洋上にて垂直着陸を行ったものの1回目は失敗したもののその後2回目3回目は成功したと発表しています。

スペースXの今後の方針としては有人宇宙船の開発とロケットの再利用に力を入れており、仮にロケットの再利用が可能になった場合は1回の打ち上げ費用は1/100、なんと数千万円程度で行うことができると主張しています(ただし燃料費のみ)。

▼スペースX社の再使用ロケットの構想(今回テストされるのは1段目のみ)