モンシロチョウ

赤や青、白、黄、黒色など色とりどりの昆虫達。これら昆虫色について生息している地域の温度により色の薄い昆虫と濃い昆虫の優劣が変化するという新たな研究結果が報告されています。

デンマークのコペンハーゲン大学とイギリスの大学インペリアル・カレッジ・ロンドンは共同で行った研究によると、ヨーロッパ全土にいるトンボと蝶の色について、南部の温暖な地域は薄い色、北部の寒冷な地域では濃い色が多いということが分かりました。

地球温暖化が進行するとヨーロッパでは薄い色の昆虫が優勢となる - ScienceNewsline

研究チームによるとこのような昆虫たちは変温動物と同じように活動するのに必要な体温を太陽光を吸収することで得ているといいます。つまり、北部の寒冷地域ではより多くの太陽光を吸収する必要があるため濃い色の昆虫が多く、温暖の地域では気温が高いため必要な太陽光が少なくて済むため薄い色の昆虫が多くなるなっているといいます。

今回の昆虫の色と温度の関係について、昆虫の色は天敵から身を守るカモフラージュの意味もありそれほど差はないと考えられていたものの、実際に調査したところ気温と色の違いは際立った違いが生じていたことが分かったとのことです。
また、昆虫達にとって体の色とは体温を調整する上で非常に重要であることがわかったとのことです。

研究者は「これらの色の薄い昆虫と色の濃い昆虫の棲息地域は、気候条件によって分けられていることがこの研究成果によって証明された」とまとめています。