アスロック米倉

映画やドラマでは恐怖心からくる判断の遅れや誤りが原因で大事故になるシーンが描写されていますよね。この恐怖心と判断力について実は逆の効果があったとする研究結果が報告されいます。

一般的に恐怖心は正常な判断を狂わせるなど知られていますが、今回日本の研究機関が行った研究によると逆に判断力を高めていたとする実験データが得られたと発表が行なわれています。

「恐怖心、判断力を高める」定説と逆の新説発表 : 科学 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

京都大学の認知神経科学の研究グループは被験者として大学生108人、小学4年生25人を対象に恐怖心と反応時間の変化について実験を行いました。被験者は毒蛇が写った写真を20枚、美しい花の写真20枚をランダムにパソコン画面に表示させ写真に写った色、例えば赤い薔薇なら赤いボタンを押すということから反応時間を確認しました。

結果、大学生、小学生とも美しい花よりも蛇の色を回答したときの反応速度が早くなっていることがわかったとのことです(平均して花よりも毒ヘビの写真の方が大学生では0.5秒、小学生は0.3秒早かった

この研究を行った正高信男教授によると「恐怖心による機敏な反応は危険を回避するために必要な対応といえる」としこれまで一般的に言われていた恐怖心と反応の遅れや誤りについては「恐怖のようなネガティブな感情は人間の判断を鈍らせるとする心理学の基本原理に異を唱えた英国の生物学者、ダーウィンの主張にも合致する」と述べているそうです。

具体的に誰が「恐怖心は判断力を鈍らせる」など説を唱えたのかは分からないのですが、心理学者の間ではこの内容は『常識』という認識だったのかもしれませんね。