再使用型ファルコン9

スペースXことスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズが先日打ち上げた国際宇宙ステーションへの補給ミッションで使用したロケットを海上で回収する試験を行った結果、落下速度の関係で船体に激突し失敗していたことが明らかになりました。

報道各社によると、先日ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられた再使用型ファルコン9とドラゴン宇宙船SpaceX CRS-5(補給船型)について、宇宙船を分離後ロケット本体を回収するため大気圏に再突入、海上の専用船「Autonomous spaceport drone ship」に着陸を試みたところ想定していた速度より速く落下してしまい、船体に激突していたことが明らかになりました。

スペースXのイーロン・マスク最高経営責任者のツイッターによると「ロケットは船まで誘導されたものの激しく着陸してしまった。今回は惜しかった」と話しており「船体自体は無事なものの設備の一部は交換が必要になるだろう」と状況を明らかにしています。

▼Autonomous spaceport drone ship(CG)
Autonomous spaceport drone ship

イーロン・マスク氏は今回の着陸試験について以前から「成功確率は良くて50%」と話しており、失敗は織り込み済みでした。実験そのものは失敗したものの無人ロケットを宇宙からAutonomous spaceport drone shipの甲板、サイズにして縦77m、幅51mに正確に向かわせることができたということだけを考えるとスペースXの技術力の高さを改めて見せつけられた結果となりました。

▼再使用型ファルコン9
再利用型ファルコン9

スペースXが運用するファルコン9の打ち上げ能力は日本のJAXAが運用しているH2A202型に匹敵しており、一方で打ち上げコストは大幅に安いという特徴があります。今回打ち上げられた再使用型ファルコン9については着陸に使用する燃料や装置が必要になるため打ち上げ能力は3割ほど低くなるとされています。ただし、仮に再使用が可能になれば1回あたりの打ち上げコストは1/100程度になるとされています。

同様の着陸試験は来月行なわれる打ち上げで再び行なわれる予定となっています。