金星宇宙ステーション

明けの明星、宵の明星、一番星など様々な呼び方をされ、また地球と瓜二つとも言われていたことがある金星。しかし、現在の観測ではそれは酷い環境が広がっていることが確認されているのですが、NASAはこの金星で将来実行可能だとするある計画を発表しているそうです。

「System Analysis and Concepts Drectorate」というプロジェクトでNASAが目指しているのは金星の雲の上に浮かぶ有人の宇宙ステーション(実際は宇宙ステーションではない)を建造しようというものです。これはHigh Altitude Venus Operational Concept(HAVOC)という飛行船のような巨大な乗り物を金星の雲よりも高いところに浮かべ、有人による観測を行うとしています。

金星の雲の上に浮かぶ宇宙ステーション計画、HAVOC « WIRED.jp

ぱっと見た感じで正気じゃないプロジェクトなのですが、いったい何故NASAは金星を選択肢に入れているのでしょうか。NASAによると太陽系の他の惑星へのコロニー(居住地)の設置を目標とする上で、月や火星が挙げられるなかで『金星』 という選択肢も実は残されているとしています。
理由としては厚い大気があり火星へ宇宙船を向かわすより難易度は低いとされているようです。



金星といえばご存知の方も多いように灼熱の惑星で硫酸の雨が降っているというまさに地獄の惑星です。これについてNASAはHAVOCを硫酸の雲や雨が降らない遥か上空の50kmに浮かばせ宇宙飛行士を滞在、観測を行うとしています。それでもこの付近の気温は摂氏75度もあるそうなのですが、一方で厚い大気があるため人体に有害な宇宙線はそのほとんどを防いでくれるようです。

何を目標にしているのか分からない今回のプロジェクトについて、仮に実施された場合として宇宙飛行士は行き帰り440日のミッションが組まれるとしています。内容は地球から金星までの行きに110日、金星滞在30日、地球へ期間する日数が300日となっています。


惑星探査に『人が必要かどうか』議論されることが多いと目にしたことがあるのですが、確かにこの映像を見る感じでは人を送り込む必要は無いと言えそうです。