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コウモリというと体に合わない大きな耳をもつ種がいますよね。実はこの大きな耳で他のコウモリが獲物を捕獲する音を聞き分け自らもそちらの方に飛んでいるという習性が明らかになったとのことです。

食糧貯蔵庫で夫がガサゴソと音を立てているのが聞こえたら、私は何かいいものが見つかったのかと思って様子を見に行くことが多い。コウモリも同じ行動を取っていることが、このほど明らかになった。音を利用して、食事にありつける最適な場所に到着できるのだ。

NATIONAL GEOGRAPHIC
イスラエル、テルアビブ大学の生物学者は同国のガリラヤ湖にある洞窟のコウモリを対象に研究を行った結果、コウモリたちは他のコウモリが獲物を捕獲する段階で特有の鳴き声を発し、その鳴き声を聞き他のコウモリが集まるという習性を発見しました。

研究者はGPSチップと鳴き声を録音できる小型装置を開発し個々のコウモリに医療用接着剤(24時間で自然に剥がれる)でくっつけ放ちました。この機器は後に4割が回収されデータを解析した結果、コウモリたちは獲物に狙いを定めたときの典型的な鳴き声を発することが分かり、この鳴き声を聞いた他のコウモリもそこに集まっていたことがわかったとのことです。
またこの鳴き声は見通しの良い所で最大100mも届くこともわかったとしています。

研究者によると今回明らかになったシグナルとコウモリの習性を“ポテチ袋効果”などと名づけ、命名については「真っ暗な映画館で私がポテトチップスの袋を開けたら、周囲の人は皆、私が何か食べ物を持っていると分かりますよね」とはなし、コウモリも実は同じようなことを思っているということで名づけたとしています。

研究者によると今回明らかになったコウモリの鳴き声について、同じく空を飛ぶ鳥類の鳴き声とは異なり「意思疎通に使っているのではないのではないか」と考えを話しており、単純に鳴き声が聞こえたらそちらに餌があるという単純な学習の結果ではないかと主張しています。