ボイジャー

以前から太陽系には未知の天体が公転しているなど天文学者らが口にすることがあったものの、どうやらその可能性が高いという研究が発表されているそうです。

海王星の遥か外側に未知の惑星が公転している可能性について研究を行ったのはマドリード大学のカルロス・デ・ラ・フエンテ・マルコス氏です。カルロス氏によると「最もありそうな説明として考えられるのは、海王星や冥王星よりも離れたところに、未知のほかの惑星が存在するというものだ」と話しているそうです。

太陽系外縁には「地球サイズの惑星」が2つ以上ある:天文学者の主張 « WIRED.jp

今回の研究は13の太陽系外縁天体(海王星軌道の外側を周る天体の総称)を分析の対象として計算されたものだそうで、サイズとしては地球と同じか大きく、少なくとも2つ以上潜んでいる可能性があるとしています。

▼セドナから見た太陽(想像図)
セドナから見た太陽

実際に発見された太陽系外縁天体として、代表的なのは『セドナ』という天体(2003年に発見)がみつかっており、なんと公転周期は12,691年。最も太陽に近づくときで地球と太陽との距離の76倍になるという天体でした。また2014年3月には2012VP113という天体が発見されており、こちらは直径が300~1000km程度とされ、太陽に最も近づく時で地球の80倍、最も太陽から離れた時で446倍というまるで彗星ような軌道を描く天体が確認されています。

今回の研究については惑星軌道のコンピューター・モデルと比較した場合これに矛盾するという批判があるものの、他の太陽系では恒星から100AU(太陽と地球との距離の100倍)のところに惑星系ができたころのような塵の円盤が実際に確認されていることから、遠距離であっても惑星が誕生する可能性は捨て切れないとのことです。

何れにしても今後新たな観測装置が誕生すればこれまで見えなかった惑星も観測できる可能性があるので、特に太陽系外縁天体という分野では新たな発見がある可能性も高いとされています。