ファルコンヘビー

アメリカの民間企業スペースXは有人宇宙船「ドラゴン」をはじめ宇宙空間に最大53トンを打ち上げることができる重量級ロケット、ファルコンヘビーロケットを紹介するCG動画を初公開しました。

スペースXが開発しているのはファルコンヘビーという重量級ロケットです。このロケットは将来的に火星や月へ人や物資を送ることにも使用されると言われているロケットになります。

スペースX社、ファルコン・ヘビー・ロケットを紹介する新しい動画を公開 | ファルコン | sorae.jp



ファルコンヘビーはファルコン9ロケットに同じくファイルコン9の1段目を2つ追加した形状になっており、全体の形状としてはデルタⅣヘビーやロシアのアンガラロケットと似ています。

性能としては地球低軌道に最大53.0t、静止トランスファー軌道に21.3t、火星へは13.2t。これは現在世界中で運用されているロケットの中でもっとも大きな打ち上げ能力を持つロケットデルタⅣヘビーと比べると低軌道では33トン以上も多いというものになります。

これほど強力な打ち上げ能力を誇る理由としてはクロス・フィードという打ち上げ方法が採用されているためです。クロス・フィードとは中央と左右の燃料タンクを配管で結合したうえで、打上げ時中央のロケットは左右の燃料タンクから燃料を供給。3つのロケットを同時に燃焼させ左右の補助ロケットを分離した後、本体の燃料タンクから供給を開始、燃焼させるというものです。

スペースXはファルコンヘビーのロケットについて開発中の再利用型ファルコン9の使用する案があり動画ではその様子が確認できます。この場合、着陸に必要な燃料等が必要なため打ち上げ能力は7割程度に抑えられるものの、ロケット本体を再利用できるため打ち上げコストは大幅に削減することができるとされています。

ファルコンヘビーの打ち上げ予定については当初の予定よりも1年あまり遅れた今年となっています。