Multiple star

世界最大級の電波望遠鏡を使用し初めて発見されたのは多重星系が誕生する前の姿です。この星系では数万年後に4つの恒星が誕生すると考えられているそうです。(写真は四重星系のイメージ)

天文学者による国際チームが、未来の四重星系が形成される非常に初期の様子を観測、2月11日付の『Nature』誌に発表した。四重星系誕生の様子を詳細に見たのは、おそらくこれが初めて。


NATIONAL GEOGRAPHIC
四重星系_2

四重星系_1
Photo:PHOTOGRAPH BY NRAO/AUI/NSF

地球から約800光年離れたペルセウス星団にあるガス雲で見つかったのは原始星1つと高密度の3つの領域に分かれている誕生まもない四重星系です。
この惑星系はアメリカにある世界最大級の電波望遠鏡、超大型干渉電波望遠鏡群(Very Large Array:VLA)とグリーンバンク望遠鏡、そしてとハワイ州のジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡の3基を使用し観測し発見されました。

私達の太陽系は1つの恒星で構成されているものの、1つの太陽を中心に惑星が公転する惑星系は天の川銀河に存在する星系の中では少数とされており、多くは2つ以上の多重星系であると予想されています。今回研究を行った研究者も「この種の多重星系は宇宙では非常に一般的で、すべての恒星のうち半数近くがこの種の星系を形成しているのです」と説明しています。

多重星系は宇宙ではありふれた存在なのですが、その誕生過程で謎が多く今回の発見はこの問題を解決する重要な発見になるとされています。

ちなみに、周囲の高密度の領域は今後4万年ほどで恒星になると考えられており、その後の予想として内1つの恒星が星系からはじき出されるそうで結果的に三重星系を形成するというシミュレーション結果が出ているとのことです。