トマホークBlockⅣ

長距離を飛行し対地攻撃を行う巡航ミサイル「トマホーク」について、アメリカ海軍によると新たに開発したトマホークを使用しこれまで現モデルでは不可能だった対艦攻撃に成功したと発表しました。

US Navyは9日、カリフォルニア州の沖合でUSS Kidd (DDG-100)を使って次世代トマホークミサイル「Tomahawk land attack missile」(TLAM)の発射実験を行い、標的となった海上を航行中のコンテナ輸送船に命中させることに成功したことを発表した。

BusinessNewsline


今回開発されたのは『Block IV』と呼ばれる発展型で、これまでトマホークの弱点とされていた移動する目標への攻撃が可能になったということになります。トマホーク自体はBlock Iという初期型(BGM/RGM/UGM-109B TASM)が水上目標に対し攻撃力を持っていたものの、後の発展型では水上目標の攻撃は行えないようになり動かない地上目標つまり建物や戦闘車両を攻撃できるよう開発が進んでいました。

現在アメリカ海軍では艦対艦ミサイルとして『ハープーン』が唯一実戦配備されているのですが射程が124 km前後と短いことに問題視されていたようで今回の次世代トマホークの登場で対艦攻撃の射程が1,850km前後まで伸びるということになります。

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▲トマホークBlock IV

このBlock IV自体は1994年頃からトマホーク・ベースライン改良計画で開発に着手されたのですが1996年に中止しています。この型は地上、水上であればすべての目標に対し攻撃能力があったのですが、いずれも高価になりすぎるということで中止となっていたそうです。
その後、1998年に性能を維持したまま一発あたりのコストを半分の値段に抑える『タクティカル・トマホーク』が開発されこれが現在使用されている最新モデルとなっています。

引用先の情報が正しければ以前中止されたBlock IVを復活させたということになるのですが、その理由としては海軍力を著しく増強している中国海軍を睨んだものと思われます。