春節_1

中国をはじめ東アジアの比較的広い地域では旧正月、所謂春節を祝う習慣が続いています。しかし海外の習慣も柔軟に取り入れる“イベント好き”で知られる日本ではなぜ春節のお祝いが行われていないのでしょうか。

2015年2月18日、中国メディア・捜狐は、中国で19日から旧正月(春節)を迎えることに関連し、「日本人はなぜ春節を祝わないのか」と題する記事を掲載した。 

アジアの多くの国、韓国やベトナム、シンガポール、インドネシア、マレーシアには旧正月を祝う伝統がある。陰暦の新年を迎えるという伝統を保持していないのは日本だけだ。

Record China
皆さんのご家庭では春節のお祝いを過去にしたことはあるでしょうか。春節とは中華圏では最も重要なイベントとされ、中国では日本でいう正月休みがあるように春節休みが設定されています。現在、海をはさみ大陸の向こうでは春節真っ盛りといった感じなのですが、なぜ日本では春節を祝う習慣が完全になくなってしまったのでしょうか。

記事によると旧暦から西洋暦(グレゴリオ暦)に変わったのは明治6年1873年1月1日で、旧暦1872年12月3日までは大陸と同じように旧暦が使われいたそうです。西洋暦に変更した理由として言われることは明治政府が月給制度にした官吏の給与を(旧暦のままでは明治6年は閏6月があるので)年13回支払うのを防ぐためだったなどとされています。

残念ながらこの記事には暦が変わった歴史しか書かれておらず旧暦と西洋暦を使う中華圏との違いについては書かれていません。



中国メディアが目をつけたように日本で現在旧暦を祝うと言う習慣は全くなく、最近明らかにイベント化を目論むハロウィンにも全く及ばないというレベルです。しかし、調べてみるとお月見(十五夜)など季節に関するものは実は旧暦由来のものが多く、日本でも未だに旧暦時代の習慣が日にちを変え残っている例がいくつか確認できます。その上でなぜ春節は消えてしまったのかと言われると謎が深まるばかりなのですが、単純に「2度も新年をお祝いしたくない」という理由のようにも思えてきます。(実際に中国では西洋暦の1月1日はお休みなのですが派手なお祝いがされることはない)

バレンタインデーやクリスマスなど比較的新しいイベントは受け入れられる一方旧暦最大のイベントが忘れられるというのはなにか寂しい気もします。ちなみに西洋暦に変わった当時の人は暦が変わることが布告されたのは旧暦の11月9日頃と1ヶ月前にも満たず、非常に慌ただしいものだったとされています。しかし、いつもより早いお正月の到来に国民は困惑していたものの、それなりに楽しんでいたなどと記録が残っているそうです。