海外メディアによると米空軍の戦闘機同士が訓練中に衝突し、翼を大きく破損したものの無事に基地に着陸を果たした報じられています。
引用先の事故の状況をまとめると学生パイロット2名と1名の教官による訓練飛行の際は発生した事故で、当時空戦を想定した飛行の訓練を行っていました。この時1名の学生(F-16Cでの飛行時間106時間)が操作を誤り教官機に衝突してしまったそうです。2015年2月20日付けのNEW YORK DAILY NEWSに、片翼の半分を失いながら無事生還したF-16画像が掲載されました。このF-16はオクラホマ州空軍(ANG)第138戦闘航空団第125戦闘飛行隊の機体で、2014年10月20日にカンザス州モーリン近くで空中衝突した1機です。3機での空戦訓練で学生機と教官機が衝突し、教官機は右水平尾翼を失って墜落しました。教官は7,500フィートで脱出し、墜落機から60フィートの地点に降下し軽傷を負いました。
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ただ、この事故については教官側も衝突したパイロットが発した「右旋回する」という声を誤って「左旋回する」と聞き間違えていたこともわかっているそうです。両機の衝突時の状況としては教官機は右の水平尾翼、学生機は右の主翼が衝突しています。このことからどのような状況で衝突したのかは想像するのは難しいのですが、教官機は完全にコントロールを失い脱出、一方学生機は翼を破損させた状態で160kmほど飛行しオクラホマ州タルサの空軍基地に着陸を果たしました。
▲失った範囲(目安)
翼を失った航空機が飛行できる可能性について、実はこれまでもいくつか着陸を果たした例が報じられています。しかし、いずれも機動性に優れ丈夫な戦闘機といった航空機が多く、実際のところ今回事故にあったF-16はじめ現代の戦闘機自体がコンピュータ制御でしか飛行することができないというくらい航空力学的には飛行に不向きな形状であるとされています。