国際宇宙ステーション

国際宇宙ステーションの運用延長に関してロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)は、2024年をもって離脱する方針を明らかにしました。

 ロシア連邦宇宙庁は2月24日、国際宇宙ステーション計画から2024年に離脱し、その後はロシアが保有するモジュールのうち3つを分離させ、それらを基にロシア独自の宇宙ステーションを建造し、将来の深宇宙探査に向けた足がかりにするとの方針をまとめたと発表した。

 また、月探査にも力を入れ、無人探査を行った後、2030年代中に人間を送り込むことを目標とする方針も示されている。

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これはロシア連邦宇宙庁が今後の深宇宙、特に月を見据えた有人宇宙計画に伴う会議でまとめられたもので、ロシアとしては2024年まで運用を行うことがが正式に決定されました。ロシアについては最近、世界情勢を理由に2020年に離脱すると言われていたことがありました。

国際宇宙ステーション(ISS)は当初、2016年をもって廃棄される予定だったもののこれが2020年になり、2014年1月には最低でも2024年までの運用を行うと変更された過去があります。これはアメリカ、オバマ政権下で決定されたもので理由は「国際研究や科学技術協力を推進するため」とされています。

今回のロスコスモスの判断はNASAとともに決定されたとしており、事実上国際宇宙ステーションの引退は2024年中になる見込みが強まる結果にもなっています。(従来の同意によりロシアも2024年まで延長維持することは決まっていた:参考)

またロスコスモスは今回の離脱に合わせて国際宇宙ステーションに接続する予定だった3つのモジュールMultipurpose Laboratory Module (MLM:多目的実験モジュール)、Nodal Module (UM:ウズラヴォーイ・モジュール)、Scientific Power Module (NEM:科学・電力モジュール)の接続は行わないと決定し、これらモジュールを転用しロシア独自の宇宙ステーションを新たに建造することが決まったそうです。

ロスコスモスとしては以前から独自の宇宙ステーションを建設するという話がでており、2014年7月にはNASA、JAXA、EAS(ヨーロッパ宇宙機関)に対し、地球から見て月の裏側の軌道上に新たな宇宙ステーションを建設する提案を暫定的な承認を得たなどと発表していたことがあります。いずれにしても現段階ではロシアは単独で宇宙ステーションを運用するというものではなくインドや中国も入れた国際的な運用を目指す方針をだしているとされています。