ISS

人類史的にも例のない国際的研究施設となった国際宇宙ステーション。現在も宇宙飛行士が研究を行っているのですが、ロシア宇宙局の発表によると将来的にロシアが作ったモジュールを切り離し独自の宇宙ステーションを建設するという方針が決定されたそうです。

先日ロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)が、2024年をもって国際宇宙ステーションから離脱する方針を明らかにしたというニュースを紹介しましたが、具体的にどのような維持をしていくのかが明らかになったそうです。

見えてきた2025年以降の国際宇宙ステーション - BusinessNewsline

こちらの記事によると現在ロシアが地上で整備中の3つのモジュールMultipurpose Laboratory Module (MLM:多目的実験モジュール)、Nodal Module (UM:ウズラヴォーイ・モジュール)、Scientific Power Module (NEM:科学・電力モジュール)について、前回の記事ではこれをこれを元にロシア独自の宇宙ステーションを作ると記事に書いたものの、正しくは国際宇宙ステーション離脱前に打ち上げを行い接続が行われるとしています。その後、2025年以降は国際宇宙ステーションから接続を解除し、独立させた状態で維持・運用するとのことです。

切り離されるロシアのモジュール
▲黄色のモジュールは今後ロシアが接続する新規モジュールで2025年以降は切り離されると言われている。

実はこの3つのモジュールだけで機能が維持できるよう必要なものは全て備わっており、ロシアにしては国際宇宙ステーションに比べて小型であることなどを考えるとこれまでよりも安く維持することができるそうです。
一方、国際宇宙ステーション本体はどうなってしまうのかという点についてはまだはっきりとしたことは分かっていないそうです。仮に2024年に国際宇宙ステーションの引退が決定となった場合は今年中にも軌道離脱処置が実施されると考えられており、最終的に大気圏内に突入させ燃え尽きる運命になります。

これについては現実的に考えられるとされており、ロシアの離脱が決定された以上2025年以降の国際宇宙ステーションの維持つまり、毎月2.5kmほど地球に落下している国際宇宙ステーションの加速を行っているのは100%ロシアであり新たにこれを行う宇宙船やロケット等を開発しなければ嫌でも国際宇宙ステーションは廃棄の道を進むことになります。(欧州補給機(ATV)でも加速国際宇宙ステーションの加速は行えるものの運用自体が2014年に終了している)

NASAも資金面では非常に苦しく、新たにブーストする宇宙船の開発を行うだけの資金を捻出するのは難しいと考えられ事実上国際宇宙ステーションの引退、廃棄は2020年代になることはほぼ間違いと思われます。