リステリア菌

食中毒というと一般的に湿度と温度が高い状態で、季節は夏から秋にかけて多く発生する傾向がありますが、なんと凍ったアイスが原因で食中毒が広がるという珍しい出来事があったそうです。 

今回食中毒を起こしたのはアメリカの大手ブルーベル・クリメリーズが販売しているアイスクリーム「Moo Bars」です。アイスで3人が死亡するという異例の事態となっているのですが、一体何が原因だったのでしょうか。

米カンザス州、大手メーカーによる冷凍食品のアイスクリームによる食中毒で3名が死亡 - BusinessNewsline

記事によると、今回3人を死亡させたのは「リステリア」という菌です。 リステリア菌は土壌など私達の身近にいる菌でマイナス18度では増殖しないもののマイナス4度からゆっくり増殖し、10~30%の食塩水でも増殖できるという菌です。菌が増殖していても匂いや味の変化することはなく、知らずに汚染された野菜や牛肉、乳製品等を口にすることで感染します。

▼回収されたアイスクリーム
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同社によると、アイスクリーム製品になる前の液状の状態で何らかの汚染が生じたものとしており、ブルーベル・クリメリーズ社製の「Moo Bars」「COTTON CANDY BARS」「SOUR POPS」の3つの回収を急いでいるとのことです。
同社は創業108年の歴史のある企業でこれまで一度もリコール、回収を行ったことはありませんでした。

リステリア菌による食中毒は日本ではめったに発生しないものの、アメリカでは頻繁に発生し3番目に多いとされています。横浜市衛生研究所によるとリステリア菌による死亡者はアメリカ全土で毎年500人前後です。

リステリア菌は健康な体であれば必ずしも食中毒を発生させるわけでないものの発症した場合は数時間から1ヶ月以上の潜伏期間があり、特に高齢者や妊婦は重篤な疾患となる例が多く見られるそうです。一般的な症状としては38~39℃の発熱そして「頭痛」「悪寒」「嘔吐」、重症になると脳脊髄膜炎を起こした後、意識障害や痙攣を起こすとのことです。