
アメリカの民間企業シエラ・ネヴァダ社はこれまで有人宇宙船として開発されてきたドリームチェイサーについて、これを改造した補給船版の開発を発表しました。
シエラ・ネヴァダ社は3月17日、かねてより開発を行っている有翼の有人宇宙船「ドリーム・チェイサー」を貨物専用機にした「ドリーム・チェイサー・カーゴ・システム」を発表した。米航空宇宙局(NASA)が計画する国際宇宙ステーションへの第2回商業補給サーヴィス契約の獲得を狙うという。シエラ・ネヴァダ社が開発しているのは宇宙へ飛びだしそのまま舗装された滑走路へ着陸するというスペースシャトルのような再利用型宇宙船です。名前はドリームチェイサーと名付けられ国際宇宙ステーションへの人員輸送を行うNASAの計画に参加していたものの、他企業との競争に破れ国際宇宙ステーションへの道を閉ざされていたものになります。
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今回新たに開発が発表されたのは補給船版ドリームチェイサーです。有人版ドリームチェイサーとの違いは宇宙船本体の翼が折りたたみ式になったことと後部にソーラーパネルと貨物専用のモジュールを搭載していることです。具体的にどの程度の質量を輸送できるのかは書かれていないのですが、宇宙船無いは与圧され、後部の貨物モジュールは非与圧貨物が搭載されるとされています。
またNASAをはじめカプセル型宇宙船にはない利点として、滑空着陸を行うため重力加速度が1.5Gに抑えられ試料に与えるダメージを小さく抑えられるとしています。

Photo:Space Exploration Systems
シエラ・ネヴァダ社はドリームチェイサーを使いあくまで人員の輸送のみを行うという貫いていたのですが、ここにきて補給船版を作るという方針転換したのはやはり相当厳しい状態におかれているものと考えられます。NASAと契約を獲得できるのかは相当微妙なのですがシエラ・ネヴァダ社としては社運をかけ最後の望みを託したという感じが今回の開発計画から感じ取れます。