ベスタの隕石_1

隕石が数多く発見される場所として南極は有名ですが、なんと中国の科学者により衛星ベスタから飛来した巨大な隕石を発見したと発表されています。

中国網日本語版によると、中国が行った南極調査「中国第30回南極科学考察」にて隕石が回収されたのですが、分析の結果衛星ベスタから飛来したものだったことが分かったと発表しています。隕石の重量は1300グラムです。

中国の科学者、南極で1300グラムのベスタの隕石を発見_中国網_日本語

小惑星ベスタは人類がこれまで踏み入れたことのない天体なのですが、NASAの小惑星探査機「ドーン」が行った観測により隕石の起源が明らかにされています。ベスタの隕石は非常に珍しいもののこれまでもいくつか見つかっており、NASAが保有している「LAP 02216」という隕石もベスタのものと考えられています。
また2012年には過去に南極とアメリカノースカロライナ州で回収された3つの隕石がベスタのものだということが明らかになっています。

▼ベスタの隕石(Meteorites from Vesta | NASA)
ベスタの隕石

▼小惑星ベスタ
小惑星ベスタ

小惑星ベスタは火星と木星の間にある小惑星帯を公転している天体で直径は530km程度なのですがこの小惑星帯では3番目に大きく、条件次第では肉眼で観測できる唯一の小惑星として知られています。

ベスタの表面には直径475kmの巨大クレーター「レアシルビアクレーター」があり、中央の丘は高さ22kmとなっています。このクレーターができた小惑星の衝突により大量の破片が発生したと考えられ、1931年には地球に飛来しチュニジア上空で爆発しています。この破片後に遊牧民により回収され(総重量は12kg)、当時フランスの保護国だったこともありフランスの国立自然史博物館に送られています。