国際宇宙ステーション

現在地球軌道を周回している国際宇宙ステーションについて、2024年に引退する見込みが強いとされているのですが、その後の宇宙開発として新たな国際宇宙ステーションの開発、建造について米ロ間で合意されたと報じられています。

2015年3月にロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)は2024年をもって国際宇宙ステーションから離脱する方針を明らかにしたことで事実上、2024年をもって国際宇宙ステーション“自体”は引退すると言われています。この“自体”というのは実はロスコスモスは今後国際宇宙ステーションに接続する新たなモジュールを打ち上げるのですがこれを宇宙ステーションから切り離し、独自に維持するということが発表されたばかりでした。

国際宇宙ステーション計画、新宇宙ステーションの建造で米露間で合意

ロスコスモス長官は「今後もロシアと米国は協力して宇宙ステーションの運営を行っていく」と声明を発表していることから今回の報じられている内容は事実であると思われます。

新たな国際宇宙ステーションについて具体的なことは書かれていないのですが、米ロ間で宇宙ステーション関連の規格つまりドッキングポートなどを統一し建造・運営を行い、実績を積んだ上で深宇宙への探査へ協力していく可能性があるとのことです。


実はこの規格を統一するという話は昨年12月にロシアの宇宙ロケット開発企業エネルギア社がロッキード・マーティン及びボーイング社との会合である文書に調印行っています。ここではアメリカの新型宇宙船「オリオン宇宙船」をロシアの宇宙機器に接続できるように規格を統一するという話であり、現在の米ロ間の関係から考えて新型国際宇宙ステーションの合同建設に繋がるとは想像することができませんでした。

ちなみに、この時今後の宇宙開発について重要なことが述べれておりエネルギア社長は「我々は米国側と深部宇宙開発計画における中継基地として月面を開発する可能性を討議した。互いの展望は多くの点で一致しており、宇宙には国境線はなく、我々はいずれにせよ宇宙大国との友好的協力を進めていくのであり、宇宙大国の筆頭は米国である」というものです。

つまり困難な深宇宙への探査はアメリカ主導で宇宙開発を行うとしておりロシアとしては以前から主張しているように、中継基地として「月」の開発を行うべきだとアメリカ側に持ちかけていると取れます。

▼黄色が今後打ち上げるロシアのモジュール。2024年以降は切り離し維持されるもの。

切り離されるロシアのモジュール

話はずれましたが、新たな国際宇宙ステーションはどのような形になるのか。こちらの黄色く塗られたモジュールは今後ロシアが国際宇宙ステーションへ接続、そして切り離し運用するといわれていた部分になります。ロスコスモス長官によると、現在の国際宇宙ステーションのようにプロジェクトに参加する国についてこれまで通り「開放していく」と話しており、また一部の民間企業への参加も呼びかけていくとも話しているようです。


ただ、今回の米ロの合意についてNASAが公式に発表をしていないことから、これまでも何度もあったロシアの勝手な主張だとも言われているそうです。