ガニメデ

木星を公転する巨大な衛星ガニメデ。サイズは太陽系最大の衛星なのですが、氷に覆われた地下に水の層がある新たな証拠が発見されたと報じられています。

 木星の衛星ガニメデの直径は5000km強で、太陽系最大の衛星だ。今回、この衛星の赤道に、直径600km、高さ3kmもある奇妙な出っ張り(バルジ)が見つかった。広さはエクアドルと同じくらい、高さはキリマンジャロの約半分だ。
 ガニメデにこんな地形が見つかるとは、専門家も予想していなかった。

NATIONAL GEOGRAPHIC
地球から双眼鏡があれば観測可能な木星の衛星ガニメデ。ガニメデは「ガリレオ衛星」で知られる1つの天体なのですが、表面を覆う厚い氷の下に液体の水(海)が広がっている新たな証拠を見つけたと発表されています。これは2015年3月12日、ハッブル宇宙望遠鏡によりオーロラから水が存在する証拠を見つけたものとは別のものになります。

発見したのはアメリカの月惑星研究所、惑星科学者ポール・シェンク氏でガニメデ全体の地図を製作していた時に、ある発見をしました。それはガニメデの赤道付近に直径600km、高さ3kmの出っ張りがあるというものです。

シェンク氏によるとこの氷の山は南極もしくは北極で成長したもので「真の極移動」により赤道付近に移動したものだといいます。これが移動するには外殻と内部に間に衛星全体を覆う海などの流体がある場合に起こる現象だといいます。

「地球のような地質活動により極地より動いたものではないか」という指摘については、氷の外殻が衛星に対し90度移動したとは考えられず、「真の極移動」説が正しいかは現在明らかになっていないガニメデの裏側(つまり今回見つかった真裏側)にも出っ張りがあれば証明することができるとしています。

液体の水といえば地球だけが特別多く持っていると思われがちですが、これまでの観測結果から地球の表面を覆っている水の量よりも多い量がガニメデ全体に存在していると考えられいるそうです。

衛星ガニメデと月、地球のサイズ比較(目安)
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