大気汚染

中国の大気汚染については様々な原因が指摘されていますが、なんと中国政府はこれまで国策として推進してきた土葬から火葬への切り替えについて、ここにきて樹木葬にするなど葬法を再度変更し始めているとのことです。

4日、参考消息網は記事「中国の大気汚染対策、花火・屋台から始まり、ついに火葬場にまで―海外メディア」を掲載した。中国当局は花火や屋台の規制に続き、葬儀にもエコを求めるようだ。


Record China
中国政府が最近国内に公布したのは葬法についてです。実は中国国内には5700あまりの火葬場があるとされてるものの、いずれもローテクのもので火葬の際に大気汚染の原因となる物質を排出するものが多いそうです。そこで、1950年代より国策として推進してきた「土葬から火葬へ」という殯葬改革を改め「樹木葬」へ再度切り替える公布を行ったようです。
殯葬改革
中国では古来より死を『生』と同じように重要視し漢民族らは「土葬」が一般的でした。しかし、土葬では埋葬に使われる面積が広く農耕地が奪われるという事態に陥ったことから1956年に毛沢東が「殯葬改革」として火葬の導入を提唱。「改革殯儀・移風易俗」などスローガンを元に「共産党員は喪事を簡素化し、率先して火葬を実行せよ」と通達が出されました。
現在、中国では火葬が義務化される地域があり、土葬は少なくなっているとされています。
ただ、今回の公布について違和感があるのは日本で言う樹木葬は、火葬後に遺骨を埋葬し樹木を植えるなどし木を墓碑とするものです。つまり、遺骨にするためには火葬を行うことになるのですがどうやら中国「樹木葬」は方法が異なるようです。

いずれにしても、これまで同じ火葬場で使われていたにも関わらず、何故「火葬が大気汚染の原因」などと認識するようになったのか。つまり近年の大気汚染の原因は火葬場ではないことは明らかなのですが、中国政府としては葬法を制限しても優先したい何かがあるようです。


ちなみに、火葬を提唱した毛沢東について中国の著名な歴史学者 章立凡らが「毛沢東の遺体は火葬すべき」とインターネット上に発表したところ当局により直ちに削除されるという出来事があります。(参考)