ヴァルカンロケット

アメリカのユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)は2019年に初打ち上げを目標にした新型ロケット「ヴァルカン」を発表しました。ULAはロッキード・マーティン社とボーイング社の合弁事業でアメリカで使用されているアトラス、デルタロケットを製造しているメーカーです。

 米ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)社は米国時間4月13日、新型ロケット「ヴァルカン」を発表した。新開発の再使用可能なメタン・エンジンや、長時間運用できる新型の第2段などを特長とし、2019年に初打ち上げが行われる予定だ。

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ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(以下、ULA)が発表したヴァルカン最大の特徴はエンジンです。なんと、打ち上げ後ロケット本体からエンジンが切り離されパラグライダーで使用するようなパラフォイルを展開、降下中にヘリコプターでキャッチし持ち帰り、整備し再使用する方法が取られます。



ヴァルカンロケット BE-4エンジンの再利用

ヴァルカンに搭載される第一段エンジンはBE-4です。これは民間企業、ブルーオリジンと共同開発しているもので、液体酸素と液化天然ガスつまりLNGを燃焼させるというこれまでにない新方式が採用されています。BE-4の開発は3年前にから始まったとされており2016年に燃焼試験が行なわれます。BE-4の性能としては海面高度での推力は550,000lbf(約2.45MN)です。参考

ULAがヴァルカンを開発するに至った起源はクリミア問題にあります。この問題でアメリカがロシアに経済制裁を発動した報復としてロシアから輸出されているロケットエンジン「RD-180」が事実上入ってこなくなったためです。ULAが運用しているアトラスロケットはこのRD-180を使用しており、ロケットは米空軍の軍事衛星の打ち上げにも使用していることから、打ち上げ停滞するという国防の点で最悪の事態に陥る恐れがありました。

BE-4はクリミア問題以前から開発されていたエンジンであり今回の問題を機会にロケット本体を含め一気に更新を行う案が出たとみてよさそうです。

アメリカで数多く打ち上げられるロケットシリーズがついに再使用になるというある意味衝撃的なニュースなのですが、従来のような使い捨てから再使用という新しい時代を今迎えているのかもしれません。
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