
先月末、ロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)が発表した2024年以降の新たな宇宙ステーションを「NASAと共同で行運用する」どと発表したことについて、NASA側はそのような事実はないといとする態度をとっていることが明らかになりました。
【AFP=時事】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は16日、国民からの質問に答える対話型のテレビ番組で、地球軌道を周回する独自の宇宙ステーションを2023年までに建設する計画があることを明らかにした。この宇宙ステーションとは現在運用している国際宇宙ステーションとは別のもので、具体的には今後打ち上げられるロシアのモジュールを国際宇宙ステーションから切り離し運用、維持するというものです。
AFP=時事
新しい宇宙ステーションについて2015年3月28日、ロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)の長官が「NASAと共同で新宇宙ステーションのプロジェクトに取り組む」という趣旨の発言したことで、ロシアメディア「RT」が「国際宇宙ステーション計画が2024年末で終了後、共同で新宇宙ステーションを建造することで合意に至った」などと報じていました。
しかし、NASA側は「ロスコスモスと協調をめぐる議論は行われた」とするに留まっており、新たな国際宇宙ステーションをロシアと共同で運用するという発表は特別行っていないといいます。
ロスコスモスは一方的に「同意を得た」などと発表を行うことが多々あることが知られています。
▼黄色が今後打ち上げるロシアのモジュール。2024年以降は切り離し維持されると言われています。

見えてきたロシアの新宇宙ステーション
プーチン大統領は現在軌道を周回している国際宇宙ステーションについてここから観測できるロシアの国土面積が5%ほどしかないと不満を述べています。その上で、新たな国際宇宙ステーションを建造する理由として「自国領土を宇宙から適切に監視するためには独自の宇宙ステーションが必要だ」として、異なる軌道上に置かれるとしています。また、「宇宙ステーションは、われわれの管理下に置かれることに疑いの余地はない」などと述べていたそうです。