
デルタロケットを開発、運用しているアメリカのユナイテッド・ローンチ・アライアンスにより発表されたのは打ち上げ後、ロケット本体からエンジンのみ切り離し、その後ヘリコプターで空中キャッチするという新しい形の再使用方法です。今回はどのように行われるのか簡単に紹介していこうと思います。
ULAが今月に入ってから発表した次世代ロケット「Vulcan」では、ファーストステージのエンジンをヘリコプターを使って空中で回収することで、エンジンのコストを90%削減する計画であることが同社が公表したプレゼンテーション資料により明らかとなった。これまでにない新しい形でロケットの再使用を行おうとしているのはユナイテッド・ローンチ・アライアンスが開発中の新型ロケット「ヴァルカン」です。
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ヴァルカン最大の特徴と言えるのは部分的な再使用を行うことで打ち上げコストを大幅に削減しようという構想です。これはロケットの本体でも最も高価な第一段エンジン2基を回収することで新たに製造するよりも9割りのコスト削減ができると主張しています。

具体的な再使用方法までの流れについては、②ヴァルカンは打ち上げ後に衛星等を放出した後に第1弾エンジンをロケット本体から切り離します。その後、大気圏に再突入する軌道に移り、拡張式と思われる耐熱シールドを展開。続いて③大気圏内でパラフォイルという横長のパラシュートを展開します。④フックを垂れ下げた大型ヘリコプターを落下地点で待機させパラシュート降下途中のエンジンを引っ掛け回収し、⑤エンジンを再検査し再使用するというものです。
ULAはこの回収方法を「Smart Reuse」などと呼んでいるそうです。
現在ロケットの再使用としてスペースXのファルコン9ロケットが有名なのですが、ロケットエンジンを再点火し回収するというスペースXの構想と比べULAの構想は容易で実現性が高いとされているそうです。