リステリア菌

暖かくなると冷たい食べ物を口にする機会が多くなりますが、実は凍ったアイスクリームでも食中毒になることがあるのはご存知でしょうか。今回は米大手アイスクリームチェーンで食中毒の発生したとの疑いがあり全店閉鎖になったという記事を紹介していきます。

米大手アイスクリームチェーンの「Jeni's Splendid Ice Creams」が商品の自主回収を実施すると同時に全米にある21店舗の全店閉鎖を行ったことが23日、同社の発表により明らかとなった。

Jeni'sによる全店閉鎖の決定は、ネブラスカ州当局が行った商品のランダムサンプリング試験の結果…(略)

BusinessNewsline
通常、食中毒というと生焼けの肉や生貝、不衛生な環境下で料理した食べ物を食べることで発生するという、何れも「暖かさ」が関連しているという感覚ですよね。しかし、今回食中毒が発見されたのはアイスクリームです。これは州当局が行ったランダムサンプリングの結果一部の商品から食中毒引き起こす「リステリア菌」が見つかったと発表しました。

この商品はチェーン店で販売されていたアイスが原因であるとは分かっていなのですが、大事を取って全店閉鎖の処置に踏み切ったとしています。

リステリア菌は日本では耳にすることはない細菌ですが、実はアメリカでは年間1000人以上(昨年は1600人)が感染し死亡しています。リステリア菌はマイナス4度からゆっくり増殖する特徴があり、危険なレベルにまで増殖したとしても味や匂いの変化はありません。土壌など私達の身近に存在しており、野菜・肉・乳製品でもこれまで見つかっているとのことです。

リステリア菌は一度工場内で感染が広がった場合、冷凍する設備でも除菌を行う必要があるなど経済的にも非常に困難になる問題があります。ただし、アメリカで多く発生しているリステリア菌の感染は冷凍食品からものは非常に稀で、常温で口にする乳製品が多いとされています。
先月発生したリステリア菌に感染したアイスクリームを食べ3名が死亡する例が報告はされていたものの、全く同じ時期に別の工場で作られたアイスクリームで菌が見つかった理由については今のところ原因不明とのことです。