一昔前、頻繁に聞いていた「オゾンホール」という言葉。最近はそれほど耳にすることはなくなりましたが、現在このオゾンホールが縮小し続けており今世紀末には無くなるという研究が発表されているようです。
米航空宇宙局(NASA)は新しい調査報告書で、かつては最も注目されていた環境問題であるオゾンホールが、30年以内に200万平方キロメートル以下に縮小すると予測している。研究チームはさらに、現在約3,100万平方キロメートルあるオゾンホールが、21世紀末までに完全に元に戻ると予測している。北極と南極、特に春から初夏にかけ南極でオゾンの濃度が減少することが確認されており、観測されたデータからぽっかりと穴が開いたように見えたことから「オゾンホール」と言葉が付けられました。
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これはエアコンや冷蔵庫の冷媒として使われることがあるクロロフルオロカーボン(所謂フロン)の他、ハロンが最終的にオゾン層を破壊を引き起こしているとされており、1987年のモントリオール議定書により先進国ではフロンの生産規制や回収が行われることになりました。
これが功を奏したのか、NASAがた行なった人工衛星「オーラ」を使用した観測の結果、2040年頃には既にオゾンホールに対しての影響は大きな問題ではなくなるとし、今世紀末までにはほぼ解消されると発表を行なっているようです。
気象庁 オゾン層・紫外線の知識より
オゾンホールは1970年代後半からその存在が確認され、2000年から2005年前後にかけその面積が最大となっていました。現在は面積が徐々に減りつつあるもののその速度は緩やかで、オゾンの破壊は短期間で行えるものの修復には非常に長い時間が必要であることがグラフから読み取ることができます。
オゾン層を破壊しているとされるフロン類の放出についてはモントリオール議定書による規制により減少はしているものの発展途上国では特に規制はされていないそうで少ないながら今も放出され続けているそうです。