風力発電というとプロペラのような回転翼を回しモーターで発電するタイプが一般的ですが、スベインのベンチャー企業「Vortex Bladless」は棒をゆらゆらさせるような方法で発電するという新タイプの風力発電装置を開発しています。
「風力発電機」と聞くと、多くの人は直径数十メートルにも及ぶ巨大な羽根が回転する風車翼タイプのものを連想するハズで、現に多くの風車が世界各地で発電に用いられています。そんな中、スペインに拠点を置く企業「Vortex Bladless」が開発を進めている「Vortex」は回転する羽根を持たず、長い1本の棒がユラユラすることで電力を得るという新しい風力発電機になっています。風力を用いた風力発電は回転翼タイプから、最近は小型機を飛ばし上空で電力を得る方法、凧のようなものから発電する方法(参考)などいくつかありますが、今回は地上設置型になります。
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記事によるとこの装置はカーボンファイバーとガラス強化繊維で作られた軽量の本体を風の流れにより左右に揺らし、この運動エネルギーを最終的に電気エネルギーに変換するというものです。
気になる発電効率は同じサイズの回転翼タイプに比べ3~4割りほど低下すると予想されているようです。一方で製造コストや運用コストは回転翼タイプに比べ約5割り削減可能としており、定期的メンテナンスにかかる費用自体も8割り削減できる特徴があるといいます。
同社としてはまず高さ12.5m、4kWの発電能力のある装置の製品化を目指すとしており、将来的には高さ3メートル程度の大きさで出力100ワットの発電が可能という装置を発展途上国に広めていきたいと考えているようです。
回転翼タイプに比べて発電効率は劣るものの、スペースをほとんど必要としないこちらの風力発電装置。軽量ということもあり、回転翼タイプがこれまで設置できなかったところでも設置可能というメリットはかなり大きい気がします。